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2005年12月28日

できる事、できない事、を言う事

「できる事はできると言い、できない事をできないと言う」のが
プロフェッショナルとして社会で求められる事としての常識ですが、
果たして本当にそうなのでしょうか?

本当の実力者がやる事は、少しそれとは考え方が違っている気がします。

〇できる事を「できる」と言う      
これはあたりまえです。

〇できない事を「できない」と言う
これも本当に重要なことです。
うまく上記の2つの判断をしなければいけません。

最悪なのは、
〇できる事を「できない」と言うです。
怠けたい人はこうしています。
理由がどうであろう絶対にやってはいけません。
これをやると仕事がなくなります。

実力者がやっていること、それは
〇できない事を「できる」と言う (そしてやる)
です。

できない事をできると宣言することで、
必死にそれを覚えなければならない状況に自分を置き、
それを頑張ってやり遂げる。

本当の実力者はそれをいつも行っています。

できる事をできるといい、できない事をできないと言うだけでは
自分の武器は増えていかないのです。

2005年12月27日

Z-FLAG CG TEAMは共に走る人を探しています。

日露戦争100周年の2005年、
人生崖っぷちの集団Z-FLAGはこれからも背水の陣の気持ちで
映像制作に取り組むべく、法人化されました。

しかしながら
Z-FLAGは究極の個人事業、個人企業の集団であり、
個人と集団のいい所取りを目指します。

プロダクションワーク経験者限定であり、
経験のない新人は現在の所、仲間に入れてあげない方針です。

給料はありません。逆に家賃を分担していただきます。
プロジェクト毎の報酬を終了後に合議します。
これは実力のある人にとっては、決して不利な条件ではありません。

法人化でありながら個人企業の集団。
このやり方のメリットについては、
今後このWEBLOGに書いてゆきます。

もしフリーになりたいなら、相談に乗りますよ。

2005年12月05日

CG雑誌TIPS記事の実情

数年前、私は何冊かのCG雑誌に作例を含めた記事(いわゆるTIPS記事)を
書いたりしていました。

しかし今はしていません。

誤解されたくはないのですが、雑誌に載ることがイヤなのではありません。
やってきた作品や主張がメディアに載る事は、とても嬉しい事です。

しかし熟考の末、私は"TIPS記事は書かない”ことに決めました。
下記にその理由を書きます。

さてここで、
CG雑誌のTIPS記事は、どんな形でオファーされるのでしょう?
以下に私の体験を元にした例を挙げてみましょう。

いきなり下記のようなメールがきます。
〇〇のところには”質感””キャラクター””合成テクニック"
”ハリウッド映画”のような言葉が入ります。

------------------------------------------
件名:〇〇原稿執筆のお願い 

はじめまして、
〇〇〇誌編集の〇〇と申します。
   
この度、〇月×日発売〇月号にて、
「〇〇〇〇」特集を担当することになり、
〇〇様に作例制作とその解説原稿を執筆していただけないかと
ご連絡差し上げました。

−−−−−■企画の趣旨
〇〇〇〇を当てた特集。
1カットの3Dアニメーションを作成。
リアルさを求めると共に、効率化された
〇〇〇〇作りのテクニックを考える。

企画概要としては上記の通りです。
テーマに沿った〇〇〇〇を制作していただき、
それについて制作時に心がけたことなどを原稿にしてもらえればと思います。
掲載ページ数は、1つのテーマに付き2ページです。

〇〇様に今回お願いしたいのは、以下のようなテーマです。

〇〇の〇〇の動きについて
テーマ●〇〇がどのように挙動するか
内容●〇〇の〇〇をリアルに見せる
ポイント●〇〇〇〇のこだわりと〇〇テクニック

条件ですが、原稿料は総額5万円で、
締め切りは〇月〇〇日前後(応相談)に作例・原稿納品で
お願いしたいと思います。
------------------------------------------

つまり、上記のメールを要約すると、

テーマの決まった数秒の上質なアニメーションを作り、
そのこだわりとテクニックを紹介する記事を2ページくらいに書いたら
5万円あげます。

ということになります。

当時のCG雑誌は、
執筆者に払われる原稿料がページあたり5000円〜2.5万円の間で
オファーが来ていました(2.5万円ならかなり多い方です)。
これは今も変わっていないでしょう。
この報酬は仕事ベースで考えた場合、全く割に合わない仕事です。
フリーランスとして生きてゆくなら、私ならこれは
2〜3日で終わらさなければ成り立たない報酬という事になります。

しかし、求められている記事の内容を考えれば、
私ならば少なくとも1週間、できれば2週間は欲しい仕事だと
考えるような内容が求められています。
それでなければ本当に良いものはできません。
しかし何週間の時間をかけて作るものと同じモノが
”雑誌の原稿料”の範囲でできるわけがない。

そもそも
TIPS記事や作例を沢山載せることが、果たして
業界の為になるのでしょうか?

雑誌編集者がお題を決め、それをクリエイターが
作り、記事の中でノウハウを紹介する。
読者は有益だと思うかもしれません。
しかし
そもそもそこで紹介される知識やノウハウは、そのクリエイターが
ものすごい努力と経験で得たものだったりします。

またTIPS記事は作例を作らなければなりません。
本来もっと高いお金で売らなければならないような作例を供出し、
原稿を書き、なおかつその中で個人で得たノウハウを惜しげもなく伝授する、、
という安売り販売がいきなりまかり通っている業界って、なんなのでしょう?

でも編集方針はそういうものが載ってる方が売れるだろう、という論理で
組み立てられていて、
”ハリウッド映画みたいなシーンを作ろう!”
”一流クリエイターがテクニックを読者に伝授!”
みたいな美辞麗句が並ぶわけです。
もうね、なんなのかと。
そんなテクニック、なんでホイホイさらさにゃならんのだと。

このアンバランスに、どこで折り合いをつければ良いのでしょう?

私一人がTIPS記事の執筆を断ったところで、
きっと他の人のもとにそのまま話がいき、
誰かがきっと受けているでしょう。

でも多かれ少なかれ、
その人は私と同じアンバランス感を感じているに違いありません。

もしかしたら
「原稿料も安いし、載れればいいから
チャッチャっと終わらせればいいや、、」と
考えるかもしれません。

しかしそうして手早く終わらせた仕事は、
本当に業界の為になるのでしょうか?
その記事を読んだ読者が、
「あ、こういうものを作れば業界で生きてゆけるんだ」と
思わないでしょうか?
CG雑誌を読んでいる人達は、おそらく若者が多いでしょう。
後輩達と業界人に対して、私はいいかげんなものは怖くて作れません。

反対に、私が受けたとします。
それなりの記事はできるでしょう(受けたら、作ります。プロですから)
それで感心されたとして、それが本当に業界の為になるんでしょうか?
自分自身の首が締まるだけのような気がします。
やはり時間とお金はしっかり考えなければなりませんし、
質問君がまた増えるだけのような気がします。

業界の為にノウハウを広げる。
発見した事を伝えて、教えてくれた人達に恩返しをしたい。
そういう気持ちも、もちろんあります。

それにしても私には、あまりにCGが簡単にできるように思われている
ような気がしてならないのです。

最近の風潮として、いわゆる”質問君”が増えてきたように思われるのは、
TIPS記事やマニュアル本を乱造してきたメディア側や
”いつかクリエイターになろう!ハリウッドへ行こう!”と
無闇に門を広げる専門学校にも、責任があるのではないでしょうか?

私は若者達にはTIPS記事が良いものだとは思いません。
私はTIPS記事を見てCGを勉強したわけではありません。
作例とTIPS記事など、すぐに古くなるものです。
そんな枝葉末節なことではなく、
モノ作りに対する姿勢や映像の見方、良いものの見分け方、作る時の
作り手としてのこだわり、そういうものこそ勉強すべきものであり

それさえしっかりしていれば
テクニックは後からついてくるものです。
私が今まで書いた記事には、
少しでもそんな気持ちを込められるようにしてきたつもりです。
でも上記のようなメール文面でオファーが来ます。
場違いな文章は編集の段階でカットされます。

本来は、
今業界の最前線にいる者達が、何を考えどんな仕事をしてきたか、
何が問題と思っているのか、どこへ向かおうとしているのか、
それらを知らせ、問題点を考えさせることこそ、メディアの役割
では?
なぜそれが今できないのか、もっと考えていかないといけないのでは?

もちろんこれは編集者だけのせいではなく、出版業界そのものの
構造もあるだろうなという事は、容易に想像できます。
特に原稿料という事で考えれば、無茶な相談なのでしょう。
雑誌を出すのは、売れてたくさん買われるのが目的だからです。
良心よりもなによりも、お金、生活が重要だからです。

一時期(98年〜2002年あたりまで)は
3DCG系の専門雑誌が乱立していました。
おそらく7〜8冊程度出ていたのではないでしょうか?
今は事実上、ワークスコーポレーションのCG World誌1冊だけです。
なぜ、淘汰されたのでしょう?

唯一残ったCG World誌には、少しでも考えてもらいたい。
淘汰され、残った理由を。

雑誌を買い、記事を読み、そして書く立場に回る人には、
少しでも考えてもらいたい。
基本的に本というものは売られ、そして買われる事が目的で
編集されている
ということを。

上記のような主張のメールを、とある雑誌の執筆依頼メールに
お断りとして返信したところ、2度と依頼は来なくなりました。
しかし私はそれで良いと思っています。

もしTIPS記事でない内容で取材依頼が来るなら、
喜んで受けようと思っています。
その位の価値のある制作者にならなければならないと、
いつも考えています。

-------------------------------------------------2007年6月27日追記


今度発売のCGWORLD 108号において、ひさびさにMayaの
レビュー記事を書いてしまいました。
レビュー記事の場合、私には慣れていない道具を学び直すいい機会、
というメリットがありますので、記事を書くことにしました。

ということで、上のエントリーの内容とは矛盾しないと言うのが
私の中での言い訳です。