いやー、すごいライブツアーでした。
スターリッシュツアーズの時も楽しかったけど、今回はQUARTET NIGHTメンバーさん達4人の、このライブにかける想いとファンへの熱い気持ちが、裏方の我々にまでビンビンに伝わってきて、僕らもついつい挑戦して頑張っちゃいました!
、、すみません、ここからはCG屋としての想いをネタバレも含んで書きますので、
素敵な嘘を信じたいプリンセスの方々におかれましては
お読みにならない方がよろしいかと思います。どうかお許しください。
Z-FLAGはステージや観客席などの背景および観客を担当させていただきました。
私ひるま克治が背景・観客CGディレクターとして参加しています。
本作品は前2作で心残りだった事を少しでも多く実現したい、というのがプロジェクト開始時からの思いでした。
前作まではグラデ表現でしかなかったペンライト、実は前回、文字テクスチャのテストはしていたのですが、レンダリング負荷の危険から見送られていました。
今回のライブ会場は前回よりハコが小さく、観客人数も少ない事から是非実現したいものではあったのですが、制作開始時ではなんと、ペンライトの詳細なデザインが決まっていなかったのです。
あのクナイ型の大きさ、形状だけは決まっていた状態でとりあえず前作と同じグラデ質感で数曲分の制作が進んでいたのですが、そんなタイミングでやっと詳細な資料が手に入りました。
「今ならまだギリ間に合う!」という事でテクスチャ(文字と線のみ)を貼ったテストを作ったのですが、いまいち周囲の反応も良くない。
チクショーそれならと、まだ存在もしてない現物の質感を想像し、一度CG内でできるだけリアルなフロスト加工等の質感付けをしてLED位置に強力ライトを置き、そのレンダリング結果をテクスチャとしてまた貼り付ける手法で担当スタッフと共にクオリティを上げ、提案しました。
これは評判も良く、この新しいルックのペンライトで制作を立ち戻り、進めることになりました。
怖かったのは、現物の写真すらない状態で質感を作ってしまった事です。
スクリーン内のペンライトと、お客様が持つ現物の質感が違っていたらどうしようと、、、
現物を(自費でw)手に入れて点灯したら、当たらずも遠からずな見え方だったので、ホッとした次第です。
また場面によって、ペンライトの色がランダムに変わっていく表現がありますが、これもスターリッシュツアーズで開発されつつも、あまり使われなかった手法です。今回のライブでは主にMCでの色の切り替えで多用されてます。
会場の観客アニメーションはモーションキャプチャー由来で、
群衆はMayaプラグインGolaemにて生成されています。
前回に引き続き、1人のスタッフによってコントロールされました。
蓄積が生きています。
オープニング映像でもステージ部分のCGレンダリングは弊社が担当することになりました。
打ち合わせで古田総監督のコンテと演出意図は理解できましたが、
4つのステージと目の前を飛び回るカード、カメラワークも含めたアニメーションを
いったいどう作るのか。
難易度はかなり高いと感じたのですが、その反面嬉しくもありました。
そもそもMVみたいな音楽に合わせた映像って、私の大好物なんですよ。
という訳でこの作業は弊社スタッフには渡さず、私自身が悩みに悩んで
独自のアイディアも入れつつ楽しく作った渾身のカメラワークです。
ほぼ一発OKでした。
あのカメラワーク、なかなかキモチ良くないですか?
密かに私の30年以上のCGカメラワーク人生(?)でベスト3に入る出来だと自負しています。
私の葬式で流してもらいたいくらいです。
他にもいろいろな部分に私とZ-FLAGスタッフ達のこだわりと愛を詰め込みました。
「Wandering in a maze」で美風藍が通る異世界チューブとか、
「The RUN to the RAY」のワイプとか、
「氷道化師-Ice Pierrot-」の舞台の氷化質感とか、
初めのMC後に流れる映像の、飛ぶ宝石の背景の夜の海とか、
「JINN-Ω-RAY」の最後に出てくる、揺れる白い花畑とか、、、
ライブツアースタート後はエゴサばかりしていました。
いろいろ見ましたが今回は特に、メンバー4人への熱い思い溢れる反応が多かったように思います。
中でも一人、私はとある嶺二推しの人の反応が気になっていました。
その方はライブ開始前からめちゃ上手いイラストや漫画を描いていて、
投稿には嶺二というひとりの男性、そしてQUARTET NIGHTというグループへの
深い理解と愛が溢れていました。
この方が大号泣したという反応を見た時、私は勝手ながら心が洗われる気持ちになりました。
自分がすべて作った訳じゃないのはもちろん分かってます。
その方が感動したのは嶺二やカルナイに、であって、裏方である私にではない。
でも本当に端っこだけど、自分はその感動の端っこに参加できた、という事実の確認だけでも、
私にとっては生の実感なんです。
どこかで自分達の関わったこのライブを喜んでくれている人がいる。
嶺二に、蘭丸に、藍に、カミュに、感動してくれている人がいる。
それこそが私のCG屋、映像屋としての生き甲斐です。
まさにHeart Knightな気持ちです。
グスッ、、
本当に、この仕事で良かった。
(たりめーだ、とかなんとか返してください)
ツアーが終わらないうちに、ナイショでまた潜入しようと思ってます。
売店でビール買って、酔いながらタブナイキメます!
聴かせろよ 本能の叫びを!
Woy!