Z-FLAGにエントリーしてくれたのに、私が断りメールを出したあなたへ

私は昔、あなたの立場にいました。
学生の中でのCG業界に入る事への執念は誰にも負けない気でいました。
「俺という才能を輝かせるチャンスさえくれたら、俺はどこまでもやってやる!」という根拠のない自信でいっぱいでした。
実際は、、不安もいっぱいでした。

とある有名CGプロダクションに面接に行きました。それだけで舞い上がって、その会社に惚れ込みました。
でも落ちました。同級生が採用されました。
ヤケになって酒を呑んでからパソコンに向かい、CG制作に没頭しました。

その後しばらくして、予想外の形でCG業界への就職は実現しました。
「思いは必ず実現する」「運は自分で引き寄せられる」そう思えました。

ポリゴン・ピクチュアズに入って一年後、同じ専門学校からの、つまり後輩の入社希望者を落とすことになりました。
面接や、その決定に大きく加担したのは私でした。
あっという間の立場の変化に、戸惑いと、辛さと、複雑な思いが残りました。

私は今、CG業界で、最高のチームを作るために努力しています。
その思いの強さは、当時の執念と変わりません。

良いチームを作るためにリーダーがまずなすべきことは「誰をバスに乗せ」「誰をバスから降ろすか」を決断し、実行することです。
私がいままで理想のチームを作れずにいた理由の一つは、その選択と実行が不十分だったからです。

誰かを決めることは、誰かを落とすことです。
その残酷な選択を断行することは、当時の自分にNOを突き付けた「あちら側」の大人と、同じことをすることでもあります。

でもそうしなければいけないのです。

私はまた、同じことをやっています。
辛さも昔と何も変わりません。
業の深い人間だと思います。

でも私はそれ以上に、良いチームを作って、何かをもっと残したいのです。

自販機で飲み物を選ぶように、就職は決められないですよね。
採用する側も同じです。
私は決してあなたを、そんな風に決めていない。
あなたは、昔の私だから。

長い間生きてきて思うのは、人はどんな環境にいても、思った場所にいずれは進んでいくということです。
田舎に生まれようと、どんな環境で育とうと、何があろうと「強い思い」さえあれば、必ず人は行くべき場所に流れて行きます。
文句言いながらも何もしないのであれば、そこがお似合いの場所だという事です。
思いも行動もなければ、流されるだけです。

「若い」ということはそれだけで大変な価値があります。
人を採る立場になってみればわかります。
神は必ず見ています。若ければ若いほどチャンスが多くやってきます。
大事なのはアンテナを常に張ること、チャンスが来た時、必ずつかむことです。

これは挫折ではありません。
あなたは何も失っていない。経験を得たのです。
私が言うまでもないことでしょうが、
次のチャンスへ向かってください。行動してください。

そしてもし将来、「こちら側」で私と出会えたら、笑顔でその喜びを分かち合えたら、本当に嬉しいです。

私なんかとは2度と出会わないと思ってるでしょう?そんなことないですよ。
世間は、CG業界は狭いんですから。
その時を待っています。

根拠のない自信ですが、あなたが行動を続けていれば、必ずそうなります。

応援しています。

Z-FLAG

東京の神保町のCGプロダクションです。日本一を目指して活動中

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